【低木】 ヒイラギナンテン Mahonia japonica 〈常緑広葉樹〉
エキゾチックな実なりの姿!
軸の赤とブルーベリーのような実の色の
コントラストは抜群です。
古来日本の庭に植えられてきた
ヒイラギナンテン。
学名の種小名は「japonica」、
つまり日本の植物という意味ですが、
全く日本の野山に育っていなさそうな風貌。
原産地は中国からヒマラヤ、台湾です。
日本には17世紀には
導入されていたそうですから、
植物学者が日本で
ヒイラギナンテンを見かけて
命名したのだと思います。
和名の由来は見てそのまま、
葉の姿はヒイラギ、
株姿はナンテンに似ていることから
この名が付きました。
常緑の照葉、羽状複葉
(葉が軸の左右に羽のように並ぶ形態)。
庭でも目を引くそのフォルム、
オーナメンタルプランツとして
抜群の効果を発揮します。
近年、ヒイラギナンテンと言えば
「マホニア・コンフューサ」が大人気。
↓こちらで紹介しています。
https://lia-garden.com/index.php?itemid=248&catid=52
今回ご紹介しているヒイラギナンテンは
マホニア・コンフューサの人気に押されて
多少人気に陰りが出ていますが、
時代は巡る…はず。
昭和の時代にこぞって植えられた
ソテツやアツバキミガヨラン
(ユッカ・グロリオサ)が
現在こんなに人気なのですから。
またヒイラギナンテンが
改めて見直される時が来ると思います。
日向でも半日陰でも
問題なく育つヒイラギナンテン。
上の写真の手前は日向、
奥は高木の足元に育つ半日陰の状態です。
葉色は日向より半日陰の方が
美しいブルーグリーンで、
葉も大ぶりになって育ちます。
葉にはヒイラギのような棘があるため、
庭の中で防犯上重要な箇所に
植え付けるのも良いと思います。
樹高は大きくなっても2mほど。
叢状にこんもりと茂ります。
秋には上の写真のように
葉が紅葉、常緑樹なのに。
そしてその葉は春まで残り、
3月頃から鮮やかな黄色の花が
咲き始めます。
長い花穂にびっしりと花を付け、
この時期一際目を引きます。
花の少ない時期に有難い存在です。
そして美しい実が付くのが初夏、
まさにこの季節です。
葉の下に隠れてひっそりと実る印象ですが、
白い粉を纏った藍色の実、
本当に美しいですよね。
こうして見ていくと、
インダストリアル系や
ブルックリンスタイル、
和モダンの建物にも馴染む雰囲気を持つ
ヒイラギナンテン。
大株に育てると更に迫力が増します。
性質も強靭で自然に樹形は整いますので
剪定の手間は殆どかかりません。
樹高が大きくなりすぎたと感じた場合は、
3月頃、地際から幹を切り取って
ボリュームダウンを図るか、
枝分かれしている部分の上部を
カットして調整します。
マホニア・コンフューサも
涼しげで良い雰囲気ですが、
こちらのヒイラギナンテンも
なかなか味わい深いです。
おすすめです!