【低木】 ウツギ Deutzia crenata 〈落葉広葉樹〉
関東地方は梅雨の真っただ中。
ひんやり、しっとりとした空気になったり、
蒸し暑かったりが続いています。
一方、まさに水を得た魚?
いや植物たちは、
青々と葉を茂らせ、
旺盛に梅雨の時期を
謳歌しているように見えます。
今回ご紹介するウツギは、
日本全国の野山にごく普通に見られる、
性質強靭な植物です。
鬱蒼と茂った緑の中で、
白い小花をふんだんに付けます。
梅雨時の花もまたいいものだな、
と思わせる風景です。
上の写真は筑波実験植物園のウツギです。
園路脇に育つ、充実した株。
下枝が払われ、
大きな傘のような樹形になっています。
頭上に咲き誇るウツギの花姿、
とても軽やかで良い雰囲気です。
ウツギは漢字で書くと「空木」、
別名「卯の花」。
枝を切ってみると、芯が空洞で
剪定しやすいです。
また、旧暦4月の「卯月」に開花することから
卯の花と呼ばれています。
樹高は1~3m程度まで生長します。
主幹ができにくく、
ほうき状に細い幹がたくさん出て、
こんもりと茂って育つタイプです。
先程の筑波実験植物園のウツギのように、
株がかなり大きくなった際は
下枝を払って傘状の樹形を楽しむもよし、
幼い株から育てる際は
そのまま毎年徒長枝をピンチして
こんもりとした叢状に仕上げるのも
良いと思います。
葉の雰囲気はこのような感じです。
少し分厚い印象で、
触るとざらざらとしています。
ウツギはとても乾燥に強いです。
屋上庭園や高速道路の法面など、
乾燥しがちな環境に植える緑化材料→ウツギ、
というほどです。
日当たりを好みますので、
もしお庭の中で
乾燥しがちで日当たりのよい場所があれば、
ウツギが育つのに打ってつけの環境です。
花期は5~7月。
蕾の時期から
花付きの良さがうかがえますね。
5弁の星形の花姿が
びっしりと房状に付きます。
よく見ると本当に愛らしい花姿です。
ウツギの花芽は花後、
7月半ばから形成されます。
徒長した枝などは
花後すぐに剪定することをおすすめします。
サラサウツギ、サクラウツギ、
白花の八重…など、
ウツギには園芸品種がたくさん存在しています。
それらはとても華やかで一際目を引き、
庭木として存分に楽しませてくれる優良種。
それらを一通り楽しんだ後、
野山でふと、
清楚なウツギの花姿を見たときの新鮮さ、
またひとしおです。
是非ご自宅のお庭でも
ウツギを楽しんでみてください、
おすすめです。