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【中木】 ギンバイカ Myrtus communis 〈常緑広葉樹〉

更新日 : 2021.07.03
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この花の主役は
花弁より花糸(雄しべの柄の部分)、
ですよね。

ギンバイカはフトモモ科に属します。
フトモモ科といえば、
ブラシノキやフェイジョアが
日本ではよく植えられていますが、
やはりそれらも花糸が強烈な印象です。

今回は可憐で繊細な花姿の
ギンバイカをご紹介します。
 
 

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ギンバイカの原産地は
ヨーロッパ南部、北アフリカ、
西アジアなど。
「銀梅花」の和名は
その花姿から名付けられました。

ヨーロッパでは、
神話に登場する女神たちに捧げる花として
ギンバイカが描かれており、
愛、不死、純潔の象徴として
結婚式のブーケなどに
古くから用いられてきました。

日本でも別名「イワイノキ(祝いの木)」は
これらが由来となって
名付けられたのだと思います。
 
 

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また、英名は「マートル」。
ハーブとしても古くから用いられており、
葉を肉料理の香り付けに用いたり
乾燥させてスパイスにしたりします。

古代ローマでは
「コショウ」が普及する以前は
その役割をマートルが
担っていたそうです。
 
 

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上の写真は筑波実験植物園のギンバイカです。
立派な大株に育っています。

ギンバイカは
耐寒性があまりないと言われていますが、
最低気温が-10℃程度までは
耐えられるようです。

茨城県南エリアでも
筑波実験植物園をはじめ、
旺盛に育っている姿を
よく見かけますので、
問題なく冬越しすると思います。
 
樹高は自生地では
5mほどになるそうですが、
日本では1~3m程度まで生長します。
 
 

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葉はつやのある常緑。
端正で小ぶりな葉のテクスチャも
なかなか素敵なものです。

近年は白斑の品種も出回っており、
こちらも風情があります。
 
 

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そして特筆すべきは、
その花付きのよさ。

丸く愛らしいその蕾を見て頂ければ、
その花数の多さが
お分かりいただけると思います。
蕾の姿もまたとても良いですよね。
 
 

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花糸の姿は
何度見て惚れ惚れしてしまいます。

こうして見てみると、
ギリシャ神話の時代から
人々はこの花を見て
感じ入るところがあったのだな、と
またしみじみ見てしまいます。
 
 

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そして花付きの良さは実付きの良さ。
秋には生で食べられます。

白斑の品種に実が付くと、
葉色と実とのコントラストがまた美しいです。
(画像がなくて申し訳ありません…)


ギンバイカを植え付ける際は、
日当たりと風通しのよい場所に。
できれば「筑波おろし」などの
寒風が直接当たらない場所が良いです。

生長はゆっくりですので、
苗を購入して育てれば
剪定などの手間は殆どかかりません。
白斑の品種は更に生長がゆっくりです。

美しく端正な照葉、
愛らしい蕾から見事な花姿、
実に至るまで、
様々な楽しみ方のあるギンバイカ。
是非お庭に1本いかがでしょう?
 
 

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