【低木】 ウグイスカグラ Lonicera gracilipes var. gracilipes 〈落葉広葉樹〉
透明感のある小ぶりな赤い実、
とても愛らしいですね。
この実、甘みがあり食べられます。
しかし食べる前に、しばし観賞。
華奢な印象で楚々とした姿が人気の
ウグイスカグラをご紹介します。
「ウグイスカグラ」の名前の由来には
諸説ありますが、
鶯などの小鳥を捕える場所、や
鶯が一年の中で初めて鳴く頃に花が咲く…
ことからこの名が付いたそうです。
花は4~5月頃開花します。
花柄にぶら下がり、
下向きに付く花は
野山では見逃してしまいそうになります。
でもしっかりと見てみると、
星形で愛らしいですね。
花色もマットなローズピンクで
なかなか味わい深いです。
その後、5月には赤い実を実らせます。
新緑と赤い実のコントラスト、
他の種ではなかなか見られない
爽やかな光景です。
ウグイスカグラは
盆栽でも親しまれている樹種ですが、
「白花」もよく見かけます。
白花種の実の色は
通常の桃花種より薄く、
オレンジレッドです。
ウグイスカグラは
北海道から九州の日当たりの良い山野に
自生しています。
トレッキングをしていると
比較的良く見かける樹種です。
樹高は1~3mほど。
樹形は同じスイカズラ科の
アベリアなどに似ます。
葉の雰囲気もとても爽やか。
表面は少し白みを帯びたグリーン、
葉裏は更に白の強いグリーンです。
上の写真は
高木の足元でひっそりと育つ
ウグイスカグラです。
葉色は日向で育ったものより
更に白みを帯びたグリーン。
カラーリーフの域に達するような美しさです。
しかし元来、
日当たりを好むウグイスカグラ。
花付き、実付きは
やはり日向で育てた方が良くなります。
適宜徒長した枝を刈り込むと、
上の写真のように
美しい樹形に整います。
土質もさほど選ばず、
性質も強靭で育てやすいです。
近年雑木の庭や
ナチュラルガーデンの普及で
需要も伸びているウグイスカグラ。
花も実も葉も
華やかさはありませんが、
楚々とした美しさは
目を見張るものがあります。
お庭に1本あると、四季折々に
味わい深い姿を見せてくれますよ!