【中木】 カルミア Kalmia latifolia 〈常緑広葉樹〉
何とも不思議な花姿、
個人的には
「折り紙で作った花」
のようなビジュアルだなあと
常々思います。
(上の写真は
‘Yankee Doodle’という品種です)
まさに今、見頃を迎えている
カルミアをご紹介します。
満開の花姿も、
自然の風情というよりは
どこか精巧緻密に
職人が作り上げたような、
不思議な味わいがあります。
カルミアの原産地は
北アメリカ東部。
岩場の斜面地や山間部に自生しています。
和名は「アメリカシャクナゲ」。
花の外観は
全くシャクナゲに似ていないのですが、
ツツジ科ですので、
シャクナゲの仲間に間違いはありません。
花は似ていませんが、
全体の株姿をみると
セイヨウシャクナゲに似ていますよね。
カルミアは
自生地では3~9mほどまで
生長するそうですが、
日本ではせいぜい大木で
2~4mといったところだと思います。
栽培方法も
セイヨウシャクナゲに準じます。
植え付ける場所は、西日を避けた
日なた~半日陰がよいでしょう。
日陰の場所でも育ちますが、
花付きは格段に落ちます。
また、カルミアの根は酸素を好みます。
地表付近にたくさんの細い根を張るので、
株を浅く植えつけて、
根元を腐葉土やピートモスで覆います。
浅植えのため、
株が不安定に感じられる場合は
支柱を施しましょう。
また、カルミアをはじめとする
ツツジ科の品種は
酸性土壌を好みます。
水はけと水もちがよい酸性土
(pH5.0~6.0程度)がベストです。
酸度調整をしていない
鹿沼土やピートモスを
庭の土に混ぜ込むと良いでしょう。
根がしっかりと付くまでは
庭植えでもきちんと潅水を行います。
根付いた後は、夏の高温期や
極端に乾燥した冬場には
水やりを行ってください。
潅水の際には、根元だけでなく、
葉全体に水がかかるように
与えるとよいでしょう。
そう、カルミアの魅力で
忘れてならないのが、「蕾」。
よく「アポロチョコレート」に
例えられる蕾、
ケーキの上に絞られた
ホイップクリームにも見えますね。
蕾の頃も含めると
花の観賞期間が長いのも
嬉しいところです。
花色も、
一際目を引く華やかなものもあれば、
優しい雰囲気の白花、
桃花もあります。
環境が合えば
見事な花付きとなるカルミア。
是非お庭に植えて、
「アポロ」の蕾の頃から
じっくりと花をお楽しみください!