【メインツリー】 常緑ヤマボウシ Cornus hongkongensis 〈常緑広葉樹〉
ヤマボウシシリーズ、今回は常緑タイプ。
近年大人気のシンボルツリーです。
まだ日本での普及歴が浅いことから
品種に混乱がみられますが、
最も多く出回っている
「ホンコンエンシス」と呼ばれる
常緑ヤマボウシを中心にご紹介します。
中国・ラオス・ベトナム原産の
ホンコンエンシス。
耐寒性を持つ(茨城県南エリアでは冬越し可能)
常緑のヤマボウシです。
このホンコンエンシスのほかに、
「ガビザンヤマボウシ
Cornus hongkongensis ssp.melanotricha」
(中国原産・ホンコンエンシスの亜種)と、
「ヒマラヤヤマボウシ Cornus capitata」
(ヒマラヤ山脈の標高の低い森林に自生)
がその名を冠して流通していますが、
厳密に見ていくと
???と思うことが多く、
実際はこれらの交配種も含めて
かなり品種が入り混じって
販売されていると思います。
突き詰めていくと
頭が混乱してしまいますので、
ざっくりと。
・基本種…ホンコンエンシス
・ホンコンエンシスの選抜種類で
見事な花付き
…ホンコンエンシス‘月光’
・ホンコンエンシスより花が小型
…ガビザンヤマボウシ
・ホンコンエンシスより
花が若干クリーム色で葉が細い
…ヒマラヤヤマボウシ
よりこだわって
常緑ヤマボウシを選びたい方は、
上記の要点をもとに、
購入の際にネットや店頭で
リクエストすると良いと思います。
上の写真はホンコンエンシス‘月光’。
恐ろしいほどの花付き。
最も多く流通している
常緑ヤマボウシの品種です。
この株は樹高がありますが、
比較的低い樹高でも花付きは抜群です。
常緑のしっかりとした葉に、
グリーンの色味を帯びた、
咲き始めの花姿。
これもまたとても味わい深い風景です。
花付き抜群ですので、実もたわわ。
赤い実の存在感、
同じく常緑で秋に赤い実を付ける
ソヨゴの比ではないですね。
ホンコンエンシスは
原産地では樹高15mほどにもなるそうですが、
日本ではまだそこまでの高さの個体を
見たことがありません。
5m程度のものは植木屋さんでも
取り扱いがあります。
現在流通している株は
2~3mのものが主流です。
ホンコンエンシスは
日当たりと水はけのよい場所を好みますが、
半日陰でも生育可能です。
元々日本より温暖な地域が
原産ですので、
冬場の寒風がきつく当たる場所での植栽は
あまりお勧めできません。
それでも枯れることはありませんが、
特に植え付け当初は
冬に葉が落ちることになると思います。
生長は比較的早く、萌芽力もあります。
広々とした場所で
ある程度枝を自然に伸ばして
楽しむのも良いと思います。
狭い場所では、適宜剪定を行って
株のボリュームを
コントロールした方が良いでしょう。
花芽は夏場に形成されますので、
花後の6月中には剪定を行います。
病虫害にも強く、
常緑で年間を通して
つややかな葉を楽しむことができ、
写真がなくて申し訳ないのですが
「紅葉」も美しい!
常緑種なのに。
花も実も存分に楽しむことができ、
性質強靭。
本当にシンボルツリーに
もってこいの逸品です。
最近では更に花色や花の形が
バラエティ豊かに広がり、
ネット通販などで
手に入るようになっています。
是非お気に入りの常緑ヤマボウシを
見つけてみてくださいね。