【メインツリー】 ビワ Eriobotrya japonica 〈常緑広葉樹〉
シルバーリーフプランツ?!
と思わせるような葉色、
大ぶりな葉には葉脈が深く入り、
オーナメンタルプランツとしてなかなかの風格。
今回ご紹介するのはビワ。
果樹としての人気はもちろんありますが、
葉の姿、株姿もなかなかの見ごたえです。
ビワの原産地には諸説があり、
はっきりとはわかっていません。
しかし、奈良時代の書物には
既にビワの記述があり、
古来日本人に親しまれてきた樹木です。
果樹の栽培としては
長崎や千葉などの暖かい地方が有名ですが、
耐寒性があり、
茨城県南エリアでも十分育つ品種もあります。
耐寒性については、
果樹を採取するには
最低気温が「-5℃」を下回ると
難しいとされていますが、
「大房」「田中」
「クィーン長崎」などを選べば大丈夫。
茨城県南エリアでは十分に冬越しでき、
実も楽しめます。
そもそも、何故ビワの耐寒性が
実付きに関係するかというと、
ビワの花が11~1月にに開花するためです。
この時期に強い寒さに当たると、
花が傷み、
実も付かなくなってしまいます。
先ほど挙げた耐寒性のある品種は、
いずれも花の咲く時期が
厳冬期から外れているために、
花が寒さに当たらず、
実が付きやすくなります。
…と、まずビワの耐寒性について
ご紹介しましたが、
これは「実を採取するため」の耐寒性です。
シンボルツリーとして
「樹木を観賞」することを主に考えると、
どの品種でもビワは大丈夫。
見てください、この男前な葉姿を。
葉脈は葉の裏面に隆起し、
彫の深い、力強い表情です。
ビワの樹高は放っておくと
6~10mほどに生長します。
日当たりを好みますが、
半日陰でも問題なく育ちます。
やはり冬期の寒風は苦手ですので、
「筑波おろし」が直接当たる場所は
避けた方が良いでしょう。
ビワの新芽、本当に見事。
目を奪われます。
葉の表はつややかなテクスチャ、
裏は褐色の綿毛が密集しています。
凛として直立する新芽を見ると、
こちらも背筋が伸びる気持ちになります。
新芽が見事すぎて、
展開の経過を追って
ご紹介しております。
常緑樹ですので
年間を通して立派な葉を楽しむことができ、
目隠し効果も期待できます。
枝ぶりは豪快ですので、
なるべく広々とした場所に
植え付けることをお勧めします。
剪定を適宜行う場合は、
もちろん狭いスペースでも植え付け可能です。
特に実も楽しみたい!という方は
あまり樹高が高すぎると、
実の収穫に苦労します。
実を楽しむことを前提に剪定を行う場合は、
花が終わった2月から、
実が実る6月頃までの間に行うと
確実に実の付いた枝を
ある程度残しながら
剪定を行うことができます。
ビワは夏場に花芽を形成しますので、
夏に株全体の枝を
均一に短くしてしまうと、
花芽(=実の付く場所)を
全て除去してしまうことになります。
そしてやはり!
せっかく実のなる木を植えたのだから
存分に収穫まで楽しまないと!
という方には、
実が小さいうちに数を減らし、
残った実に養分を集中させる
「摘果」の作業をおすすめします。
上の写真では
実が1つの房に7~8個付いていますが、
これを3~4個にして、残りを除去。
そうすることで、1粒が大きく、
養分を十分に蓄えて美味しくなります。
あとは、カラスやムクドリ、
ヒヨドリとの実の奪い合いに勝利すること。
これが一番大変かもしれません。
袋がけまではしないまでも、
実を守るために
防鳥ネットや様々な鳥除けグッズで
しのぐしかないですよね。
そして育てた実を
その場で収穫して口にする幸せ。
種は抜群の萌芽力を持っていますので、
そのまま種を庭に捨てたら
芽が出てくることもよくあります。
更に収穫できるのは
実のみならず、葉も有用です。
乾燥させてお茶にしたり、
様々な用途が広がります。
そんな話題に事欠かないビワ、
お庭に1本あると楽しいですよ。