【メインツリー】 アオダモ Fraxinus lanuginosa 〈落葉広葉樹〉
綿雪のような、線香花火のような、
繊細な花姿。
細い花弁に見入ってしまいます。
近年の落葉樹シンボルツリーで
人気急上昇のアオダモをご紹介します!
アオダモの花は4~5月頃に開花します。
新芽の淡い緑に、
純白の花がふんわりと乗った姿、
本当に優雅ですね。
アオダモは沖縄を除く
日本各地の山地に自生します。
上の写真は、
今年の4月に茨城・笠間市で撮影したものです。
何とも爽やかな枝ぶり、花姿です。
数多ある雑木の中で、
何故近年アオダモが人気を集めているのか。
個人的には、
「華奢な雰囲気」が受けているのでは?
と思っています。
アオダモは、自生地では
5~15mほどまで生長します。
庭木では2mから3~4mほどが主流になります。
樹高が高くても幹が細く、
ほっそりとしたシルエットのものが多いです。
現在流通しているアオダモは
「山採り」、
つまり山林から株を掘り上げて
庭木として販売しているものが多いのが現状です。
山林は生長する際に
競合する樹木が周囲にたくさんあるため、
幹も枝ぶりもほっそりとした姿になります。
狭い場所だけれど、
樹高の比較的高いものを植えたい場合や、
他の雑木と組み合わせて植えたい場合などは
下枝のない、山採りタイプは重宝します。
また、そのような条件下でなくとも
とにかくほっそりとした、
ひょろりとした幹の雰囲気を楽しむ、というのが
現在の外構植栽では
人気となっているのは確かです。
一方、上の写真は
樹高4mほどのアオダモの株立ちです。
こちらの株は山採りではなく、
畑で育てたものです。
やっぱりこちらの株の方が、
「シンボルツリー」に相応しい、
安定感のある雰囲気を醸し出していますよね。
余談ですが、アオダモは
「木材」としてもとても優秀。
野球のバットやテニスのラケットの
高級材とされています。
生長はあまり早くないため、
ますます希少性が高まっています。
また、アオダモの特徴として
「幹が白い」ことが挙げられます。
これは山採りの株の幹に付着したコケの色。
ですので、畑で育てられた株の幹は
白っぽくありません。
葉は「奇数羽状複葉」。
葉柄に葉が対になって
並んで付いています。
常緑のシンボルツリーとして人気の
「シマトネリコ」も、羽状複葉。
各々の葉が比較的小さくて
軽やかな印象を与えます。
紅葉もまた見事!
ワインレッドに染まる葉は
とてもシックで味わい深いです。
ちなみに、夏場に付く実も
ローズピンクでとても風情があります。
アオダモは日当たりを好み、
土質は水はけがよければ
さほど選びません。
生長も遅めですので、
一度根付けばほぼ手間いらず。
ほっそりとしたシルエット、
またシンボルツリーらしい見事な株立ち、
株姿の雰囲気に個性のあるアオダモ。
是非お気に入りの株を見つけて、
お庭のシンボルツリーにしてみてください。