【草本類】 アスチルベ Astilbe ×arendsii 〈落葉多年草〉
ふわふわとした小花が、
ピラミッド状の穂になって咲き誇るアスチルベ。
近年ますます人気が出てきました。
清楚なものから自己主張の激しいものまで
何でもあり!と言ってしまえば投げやりですが、
本当に、アスチルベの品種の進化はすごい。
そして切り花としても大人気です。
(余談ですが、2年ほど前、
北川景子さんが出演する腕時計のCMで、
大量の花束を抱えた人たちと
北川さんがすれ違うシーンがあり、
そこにアスチルベのペールピンクの切り花が
ふんだんに使われているのを見て、
アスチルベの切り花、いいなあ!
と思ったのを覚えています)
それはさておき、この時期、
芽吹きを迎えたアスチルベをご紹介します。
アスチルベの原産地は北米と東アジア。
日本にも6種の原種が自生しています。
そのうち、イヌショウマ(Astilbe japonica)は、
現在世界で大量に流通している
アスチルベの交配親のひとつです。
アスチルベの品種改良は、
主にオランダとドイツで先行して
進められてきました。
アスチルベの学名にもある「arendsii」は、
ドイツ・アレンズ商会の
George Arends氏の名前に由来しています。
ここでアスチルベの交配親のひとつ、
イヌショウマの画像がなくて残念なのですが、
とにかく品種改良は重ねられ、
素晴らしい花色、花付き、
性質強靭な品種が生み出されてきました。
日本に自生する原種のアスチルベは
やや湿った場所に育つ場合が多いのですが、
近年流通しているアスチルベの品種は
普通に花壇に植え込んでも
全く問題なくなりました。
夏場に極度に日に当たると
葉焼けを起こすことがありますが、
殆どの品種はその程度では枯死することなく、
また翌年芽吹いてきます。
アスチルベの葉は
上の写真のように中心の葉軸の両脇に
小葉を付ける「複葉」タイプ。
この葉姿もとても涼やかで
風情がありますよね。
近年ではアスチルベ‘カラーフラッシュ’や
‘カラーフラッシュ ライム’のように、
花のみならず、
素晴らしい発色のカラーリーフプランツとして
品種改良されたアスチルベもあり、
ますます目が離せません。
その他の、
花を愛でるアスチルベの品種も
秋には葉が美しい黄色に色づきます。
カラーリーフのアスチルベでなくとも、
新芽が赤みを帯びる品種が多いアスチルベ。
いよいよ春だなあ、と
思わせてくれる芽吹きです。
植え付け場所は、
日当たりの良い場所の方が
花付きが良くなります。
先ほども書きましたが、
夏場に極度に日に当たると
葉焼けを起こしますので、
夏場は少し半日陰になるような、
高木の足元などが良いでしょう。
水分環境は、湿り気を帯びた場所でも、
普通の畑地のような場所でもよく育ちます。
しっかりと根付くまで水切れに注意し
株が充実すれば、夏場でも
水やりの必要はありません。
花色は白から桜色、桃色、藤色、
濃厚なワインレッド、その他様々。
カラーリーフも新芽も紅葉も、
芽吹きから初冬の葉の色づきまで
存分に楽しめるアスチルベ、
お庭にいかがでしょう?
性質も強く、育てやすい逸品です。