【中木】 ハナズオウ Cercis 〈落葉広葉樹〉
花盛りの日々、
いよいよソメイヨシノの次は…
サトザクラ、フジの花、ハナミズキ。
開花ラッシュで嬉しい限り!
今回ご紹介するハナズオウは
すでに開花を迎えています。
ちょっとユニークな花付きで
目を引きますよね。
この花付き!
ハナズオウの花は
前年に伸びた枝や、幹にも
花をびっしりと集まって付けます。
枝全体がマゼンタピンクに包まれ、
初めて見ると、ちょっと驚きますね…。
ハナズオウは中国原産ですが、
かなり古くから
日本でも植えられてきました。
上の写真のように樹形は自然と整い、
樹木は十分な年月を経ると
3~5m程度まで伸びます。
ハナズオウの葉は光沢のあるハート形。
ひらひらと風に揺れる姿は
とても風情があります。
一方、ハナズオウの近縁種、
「アメリカハナズオウ(Cercis canadensis)」が
近年人気を集めています。
従来の中国原産のハナズオウは、
春の花を観賞するのがメインでしたが、
アメリカハナズオウの魅力は、
バラエティ豊かな葉の色。
どの品種もとても華やかな雰囲気です。
まずハナズオウとアメリカハナズオウの
性質の違いから。
ハナズオウが「株立ち」の樹形になりやすいのに対し、
アメリカハナズオウは「主幹」があります。
樹高もハナズオウより一回り大きくなります。
上の写真は、
アメリカハナズオウ‘フォレストパンシー’です。
恐らくアメリカハナズオウの品種の中で
最もメジャーな存在。
このパープルリーフ、本当に見事です。
芽出しの頃は更に濃いパープルで、
季節を経て徐々に色が薄くなっていきます。
そして秋には葉色は赤みを帯び、
美しい紅葉の姿となります。
上の写真は‘フォレストパンシー’の花姿です。
中国原産のハナズオウよりも若干淡い色合い。
こちらもまた風情があっていいですね。
アメリカハナズオウには、
他にもゴールドリーフ、
白い斑入りのもの、
濃い緑の照り葉のものなど、
様々なタイプが流通し始めました。
まだまだ成木で普通に
住宅地の庭先などに育つ姿は
見たことがありませんが、
きっと近い将来、
更に普及していくと思います。
一方、こちらは中国原産ハナズオウの白花種。
花色が変わるとこんなにも印象が変わるとは。
とてもすっきりとした花姿ですね。
ハナズオウはマメ科の植物。
ちゃんと「さや」に入った種が付きます。
植え付けは日当たりの良い場所がよいでしょう。
日陰に植えると花付きが悪くなります。
土壌はさほど選びません。
性質強靭で樹形も自然と整うため、
あまり手間のかからない植物です。
びっしりと付いた花姿を楽しむもよし、
様々なカラーリーフの中から
お好みの品種を選ぶもよし、
花色にこだわって選ぶもよし。
様々なハナズオウの楽しみ方、
ご自宅のお庭でも是非!