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【中木】 ビブルナム・ティヌス Viburnum tinus 〈常緑広葉樹〉

更新日 : 2021.07.07
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少し淡いローズピンクの蕾、
開花と共に花弁の白が目立ってきます。

ヨーロッパのアンティーク家具が揃う部屋などに
飾ったらきっと間違いないですよね!

庭木として今後ますます
主流になること間違いなし!
女性的な花色が魅力の
ビブルナム・ティヌスをご紹介します。


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若い蕾は更に濃い色合い。
こちらもとても魅力的です。

ビブルナム・ティヌスは、
日本に自生するオオデマリやガマズミの仲間、
スイカズラ科ガマズミ属の植物です。
原産地は主に地中海沿岸で、
山林内のやや湿気のある場所に
自生しているようです。

近年ビブルナムの仲間は人気が高く、
セイヨウカンボクやオトコヨウゾメ、
チョウジガマズミなども
随分と店頭に出回るようになりました。
その中でもビブルナム・ティヌスは
群を抜いて出世株!だと思います。
 
今から10年以上前、
このビブルナム・ティヌスと
セットのように売り出されていたのが
ビブルナム・ダビディ(Viburnum davidii)です。

ダビディはティヌスに比べて
葉が大ぶりで葉脈がくっきりと入り、
樹形がティヌスに比べて
水平方向に広がるイメージがありました。

現在では殆どダビディを見かけることがなくなり、
ティヌスがどんどん普及しています。


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上の写真は
つくば実験植物園に植えられている
ビブルナム・ティヌスです。立派!
樹高は3mほどありました。

ホームセンターで現在出回っているものは
樹高1mより小さいものが
殆どのように思います。
3mにまで育つには、
相当年数がかかったと思います…。

ビブルナム・ティヌスは
とにかく丈夫な品種です。
耐寒性も茨城県南エリアでは
全く問題ありません。
耐暑性もあり、
日向でも半日陰でもよく育ちます。

また刈り込みにも耐え、
常緑性の品種ですので
生垣にも重宝します。
特に目立った病虫害もありません。
とにかく育てやすいです!


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上の写真は
つくば市のガーデンショップで
販売されていたティヌス。
こんなに樹高が低い段階でこの花芽、
驚きました!


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そして特筆すべきはこの実の色!
美しいメタリックブルー、
一際目を引きます。

フラワーアレンジの材料としても人気があり、
花よりもこちらの実の方に需要があります。


現在、日本で流通している
ビブルナム・ティヌス、
個人的には、同じ名前で販売していても
かなり「個体差」があるように感じています。

ひと昔前のビブルナム・ティヌスは
もっと花序(小さな花の集合体)が
小ぶりだったような…。
最近ホームセンターで見かけるティヌスは、
花序が大ぶりでとても華やかです。


ここからは全く私の推測なのですが、
近年「ビブルナム・ダビディヌ」や
「ビブルナム・ダビディ×ティヌス」
といった名前で品種が販売されていることから、
前出のビブルナム・ダビディと
ティヌスとの交配で生まれた、優良個体を
「ビブルナム・ティヌス」として
販売しているのかも…。

今後も色々な個体の様子を
見比べてみたいと思います。


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上の写真は昨年秋に我が家にやってきた
ビブルナム・ティヌスです。
美しい実と一緒に、
蕾と花が付いているのが
おわかりいただけるでしょうか?

ビブルナム・ティヌス、
何と1年に2回花を付けます。
特に、美しい実を切り花用に切り取る際に、
少し切り戻し剪定を行うと
秋に開花しやすくなります。

花もたくさん、何度も咲かれてくれて
美しい実まで…
何とも働き者のティヌスです!


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一昔前であれば常緑中木の主流は
キンモクセイやサザンカ、
レッドロビンなどでした。

ビブルナム・ティヌスは恐らく、
次世代の常緑中木の
スタンダードになると思います。

とにかく日本の気候下で育てやすく、
扱いやすい!
ビブルナム・ティヌス、
もしガーデンセンターで見かけたら
是非手に取ってみてください。
 
 

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