【グランドカバー】 フッキソウ Pachysandra terminalis 〈常緑多年草〉
![イメージ](https://lia-garden.com/wordpress/wp-content/themes/site/images/2021/07/OI000129.jpg)
今年の4月上旬は気温が低く、
ここ茨城県南ではなかなかソメイヨシノが
満開になりませんね…。
早く満開のサクラを見たい思いと、
咲き急いで散ってしまうのが惜しい気持ちと、
でももう少し暖かい日があってもいいのでは…
という思いが、
複雑に入り混じった日々であります。
そんなお花見シーズン真っただ中ですが、
日陰の足元に目を向けると
ひっそりと、
しかし凛とした表情で咲いている花があります。
今回はそんな「フッキソウ」をご紹介します。
![イメージ](https://lia-garden.com/wordpress/wp-content/themes/site/images/2021/07/pixta_41026311_L-scaled.jpg)
「フッキソウ」、
漢字では「富貴草」と表記します。
常緑の青々といた葉が
年間を通して美しく茂る様子を
繁栄に例えて
このように表現したと言われています。
その名の通り、
性質強靭でよく繁茂するフッキソウは
グランドカバーとして古来日本の庭には
欠かせない存在でした。
現代の庭においても、
フッキソウにとって代わるような植栽の材料は
あまりないように思います。
フッキソウは
日本各地の山地の林内に自生しています。
日陰でもよく育ち、
冬場でも葉が傷むことなく
一面を密に覆います。
![イメージ](https://lia-garden.com/wordpress/wp-content/themes/site/images/2021/07/pixta_18407728_L-scaled.jpg)
公園、オフィス街の緑地、戸建住宅の庭…
これまで様々な場所で
様々な季節に植栽を行ってきましたが、
「困った時のフッキソウ!」と、
何かと頼りにしてきました。
まず、性質が強靭であること、
季節を通して美しい緑の葉が保たれること、
和洋を問わず、周囲の植栽に溶け込むこと、
植物の葉色やフォルムに自己主張が少ないこと。
そしてこれは大きなポイントですが、
植物材料として、
価格が比較的安価であること。
これだけの条件を揃えた草本類
(正確にはフッキソウは亜低木なのですが)は
やはりぱっと思い浮かびません。
ありがとう、フッキソウ!
と改めてお礼を言いたいです。
そんな優れもののフッキソウ、
クリーム色の外斑が入る品種もあります。
こちらを植栽に加えると
日陰の庭がぱっと明るく、
そして更に洋の庭に馴染むようになります。
![イメージ](https://lia-garden.com/wordpress/wp-content/themes/site/images/2021/07/P4070505.png)
上の写真は、つくば市の
洞峰公園で群生しているフッキソウです。
よく見ると、
中にツワブキの丸く大きな葉が
ちらほら見えます。
地面は固く、大木の足元で半日陰の状態。
しかしもりもりと立派に育っています。
花はまさに今、
3~5月頃開花します。
実は花弁のように見える白い部分は
「萼片」で、
花びらはありません。
どこまでも控えめ、
シンプル、ストイックです…。
皆さん是非、
脳裏の片隅に覚えておいて頂きたいです、
困った時のフッキソウ、です!