【中木】 トサミズキ Corylopsis spicata 〈落葉広葉樹〉
先日は「ヒュウガミズキ」をご紹介しましたが、
今回は、ヒュウガミズキと
違いがわかりづらかった
「トサミズキ」をご紹介します。
両種とも、ソメイヨシノが咲くこの季節に
開花を迎えています!
上の写真は昨日(2019年3月31日)、
つくば実験植物園で撮影したものです。
比較的自然樹形で、のびのびと育った
ヒュウガミズキとトサミズキです。
樹高の違い、一目瞭然!
小型のものがヒュウガミズキ、
後方がトサミズキです。
(写真を撮影している方の背丈も
併せて比較出来て参考になるかと思います。)
こうして両種が比較できる場所にあると
わかりやすいですね。
さすがつくば実験植物園!
茨城に住んで良かった、と思います。
トサミズキの穂状の花は、
小さな花が7~10個連なります。
舞妓さんのかんざしのようで、
またヒュウガミズキとは違った風情があります。
ちなみに、トサミズキの自生地は
その名が示す通り土佐、高知県です。
高知県の蛇紋岩地や石灰岩地に育ちますが、
土壌はさほど選ばず、
庭木として扱いやすい品種です。
ヒュウガミズキ同様、
トサミズキも花が終わった後に葉が展開します。
くっきりと深く入った葉脈!
名前は「トサミズキ」ですが、
トサミズキはミズキ科ではなく
「マンサク科」であることが
この葉脈を見るとよくわかります。
↓「マンサク」をご紹介した記事もご覧ください!
https://lia-garden.com/plants/2021/article-1806/?preview_id=1806&preview_nonce=45a3f22e86&preview=true
葉脈の入り方が、
やはりマンサクに似ていますよね。
…ではなぜ、
マンサク科なのに「ミズキ」の名が付いたのか。
春先のトサミズキの枝を切ると、
水分がしたたり落ちるほど
切り口から出てくることから、
「水木(ミズキ)」の名が付いたそうです。
本当に不思議な葉脈の入り方!
葉の形も基部がハート型で愛らしいです。
トサミズキもヒュウガミズキ同様、
株立ちになりやすい性質があります。
樹高ははじめの写真でご覧いただいた通り、
自然樹形で放置すると
4mほどまで生長しますが、
そこまで大きくなるには年月を要します。
植え付け場所は日向が良いでしょう。
日当たりが悪いと花付きが悪くなります。
しっかりと根付くまでは水切れに注意します。
根付いてしまえば、潅水の必要はありません。
茨城県南エリアでは、
夏も冬も問題なく越すことができます。
ちょっと葉の縁が
傷んでしまっていますが…
トサミズキの秋の黄葉もまた良いものです。
ヒュウガミズキより樹高が高くなるので、
写真のように、
光を浴びたトサミズキの黄葉を
下から眺めることができます。
もし樹高が大きくなりすぎたと感じた場合は、
花後に適宜剪定を行うと、
花芽を切り取らずに済みます。
トサミズキは中木扱いですが、
シンボルツリーとしても
十分のボリューム感があります。
早春に爽やかに咲き誇るトサミズキ、
おすすめです!