【低木】 ヒュウガミズキ Corylopsis pauciflora 〈落葉広葉樹〉
ほっとする優しいレモンクリームの花色、
俯いて咲く花姿もとても健気な印象です。
早春に花開くヒュウガミズキをご紹介します!
ヒュウガミズキは
本州や台湾に自生する低木で、
樹高1~3m程度まで生長します。
よく個人のお庭や街なかで見かける
ヒュウガミズキは
せいぜい樹高さ1mくらいです。
幹は株立ち状となり、
こんもりと茂った株姿となります。
ヒュウガミズキに似た花を持つ種は
いくつかあります。
特に「トサミズキ」と
間違われることが多いと思いますが、
トサミズキの花は
「7~10個」まとまって付くのに対し、
ヒュウガミズキは「1~3個」です。
樹高もトサミズキは野生種ですと
4m程度まで生長します。
植木で流通しているものでも、
樹高さが2m程度のものもありますので、
トサミズキはヒュウガミズキと比較すると、
花も株姿も大ぶり、
ということになります。
※ちなみに、上の写真はトサミズキです!
容易に比較できるような状況
(両種が並んで植えてある、など)ですと、
その差は一目瞭然なのですが
こうして写真だけで見ると、
間違うことも確かにありそうですね。
ヒュウガミズキの開花は
葉の展開する前です。
蕾の頃からこんなにかわいい!
(花は開花時期よりも蕾の頃が魅力的…
というのは私の偏った持論です(^^;))
温かいシャワーを浴びているような、
見事な花姿!
ヒュウガミズキは自生地では
痩せた岩場などに育っています。
ご自宅に植え付ける際は、
さほど土壌は選びません。
日当たりは良い方が
花付きも良くなります。
樹形は株立ちでこんもりと茂るため、
こまめに剪定しなくても、
自然と整います。
刈り込みにも耐えますので、
大きくなりすぎた場合は
思い切って短く刈り込むのも良いでしょう。
剪定は花が終わった5月頃か、
花芽が膨らんでわかりやすい
1~2月頃に行います。
花が終わると、新芽が展開してきます。
この新芽の色が、美しいです!
個体差もありますが、
ローズピンクに色づく新芽は
ヒュウガミズキのセールスポイントとして
かなり重要だと個人的には思っています。
実際に、生花店でも
ヒュウガミズキの新葉の付いた枝は
「枝物」として販売されています。
鮮やかな黄緑とローズピンクのコントラスト、
新芽の時期にしか見られない、
見事な光景です。
季節が進むと、ローズピンクの新芽は
徐々に黄緑から緑へと変化します。
ヒュウガミズキの葉には
深い葉脈が入っており、
光を浴びるととても表情豊かに。
葉の色がグリーンに変化しても、
なかなか見どころが絶えません。
更には紅葉も!
蕾から花、新芽、葉脈、紅葉…
株姿は整い、性質強靭の優等生、
ヒュウガミズキ。
季節の移ろいを存分に感じられます、
お勧めの品種です!