【中木】 オオデマリ Viburnum plicatum f. plicatum 〈落葉広葉樹〉
サクラ開花の便りが届くころ、
ホームセンターで一斉に並び始めるオオデマリ。
新品種でもなく、
昔から日本で親しまれてきたこの花は、
春を迎え、蕾を付け始めると
にわかに皆の注目を浴び始めます。
その理由はやはり、
この蕾のグリーンにあるのではないか…
と個人的には思っています。
近年、フラワーショップでも
ホームセンターの園芸コーナーでも、
緑色の花はとても人気があります。
例えばラナンキュラス、カーネーション、
エキナセア、スプレーマム…
他にも多くの品種の緑花が次々と生み出され、
人気を博しています。
「葉も緑なのに花も緑?」ではなく、
「グリーンの花、清々しくていいね!」
という時代の流れ。
オオデマリはその流れに
今まさに乗っているのかもしれません。
実際に庭先で、蕾のグリーンが
徐々に白に変化する過程を見ていると、
本当に清々しい気分になります。
しかも見事な手毬咲き!
この美しさを是非、
家の中でも楽しみたい!
と思ってしまうのですが…
オオデマリは水揚げがあまりよくなく、
切り枝には向いていません。
やはり庭でのびのびと咲いている姿を
愛でるのが良いと思います。
特に細やかな手入れをしなくても、
この花付き!
オオデマリの性質は強靭で、
とても育てやすい品種です。
ホームセンターで買い求める際は
鉢に植えられていますが、
庭植えの方が花付きは良くなります。
オオデマリは「ヤブデマリ」という、
本州以南の山地に自生する品種を
改良したものです。
(ヤブデマリも本当に素晴らしい品種です。
追ってご紹介します!)
ヤブデマリは森(林)の縁の部分(林縁)に育つため、
横に枝を張って日光を求め、
しかし株元は日が当たらないような環境を好みます。
ご自宅の庭にオオデマリを植え付ける場合は、
株元に宿根草や低木を添え、
乾燥を防ぐようにすると良いと思います。
花芽は花後比較的すぐに付きます。
もしオオデマリの樹形を
小さくするために剪定する際は、
花後すみやかに行った方が、
花芽を切り取らず、
来年も花を楽しむことができます。
それにしても春の青空に映える白い花姿、
見事です!
英名は「Japanese Snow Ball」、
まさに雪玉ですね。
最後にもうひとつ、
オオデマリの素晴らしさを!
オオデマリの紅葉もなかなか味わい深いです。
寒い地方に育った方が赤く色づきますが、
茨城県南エリアでも十分に赤く色づきます。
葉のフォルムも丸みを帯びていて
とても愛らしいですよね。
花も手毬、葉も優しい形で
見どころたくさんのオオデマリ、
春の初めにホームセンターに出向くと
すぐに見つけられると思います。
おすすめです!