【中木】 ユズ Citrus junos 〈常緑広葉樹〉
この季節になると、
丸々と育った黄色やオレンジの柑橘類が
お庭にたわわに実っている光景、
とても暖かく、まぶしく感じられますね。
またお鍋がおいしい季節でもあるので、
ご自宅のお庭にユズを植えたい…
とお考えの方も多いのではないでしょうか。
実際、ホームセンターの柑橘類売り場は、
一年の中でも最も華やぎ、賑やかです。
「桃栗三年柿八年、柚子の大馬鹿、十八年」
というフレーズ、
ご存知の方も多いのではないかと思います。
18年も経たないと実がならないのか…
と諦めるなかれ!
今では、苗を購入したその年から、
ユズの実を収穫できる品種もありますよ!
ユズは中国原産の植物ですが、
飛鳥時代には既に日本に導入されていたそうです。
他の柑橘類に比べて耐寒性があり、
茨城県南エリアではまず枯れることなく、
露地植えが可能です。
また病虫害も殆どなく、
消毒の必要もないため
ご家庭で安心して無農薬のユズを育て、
食することができます。
ユズの花の開花は5月ごろ。
どの柑橘類にも言えることですが、
実のみならず、花も本当に良い香りです!
爽やかな5月の気候にぴったりの、
清々しいユズの花の香りも
是非お楽しみ頂きたいです。
さて、苗を購入後、
すぐに実を収穫できるユズですが、
店頭では「花ユズ(1才ユズ)」
という名前で売られています。
実の大きさが、通常のユズ
(「本ユズ」と呼ばれています)より小ぶりで、
本ユズよりも早い時期から収穫できます。
更に花ユズの良いところは
枝にトゲがない、
また樹木が本ユズより小ぶりに育つということ。
本ユズの枝にはトゲがあり、
実を収穫する際には注意が必要ですが、
花ユズにはその心配がありません。
また、樹高は本ユズよりも
小さくとどまりますので、
お隣との境界や玄関近くにも
安心して植えることができます。
気になる花ユズの実の香りなのですが、
本家の本ユズには若干劣ります。
しかし「若干」です、何ら問題はありません。
その分、その名の通り
花の香りは花ユズの方が強く、
爽やかに香ります。
どうしてもユズの本格的な香りを
楽しみたい方は「本ユズ」を、
トゲのない樹木を安心して育て、
実を早く収穫したい方は
「花ユズ」をおすすめします!
最後にもう一つだけ…
ユズは、一般的に隔年結果
(実が豊作の年と不作の年が
交互に訪れること)が
大きい果樹と言われています。
苗を植え付けて1年目の冬に、
あまり実が付かなかったら…
翌年は豊作の可能性大!
ユズの実りは気長に待ちましょうね。