【草本類】 アカンサス・モリス Acanthus mollis 〈常緑多年草〉
この圧巻の花姿!
比較するものが画像に映り込んでいないので、
お伝えしづらいのですが、
例えるならば…
花穂は野球のバット1本分ほどの大きさと太さです。
株が大きくなると、
1株から数本の花穂が立ち上がります。
オーナメンタルプランツの代表格、
アカンサス・モリスをご紹介します。
見れば見るほど個性的なフォルムですね。
アカンサス・モリスは
地中海沿岸が原産の常緑多年草です。
特にギリシャでは、
アカンサスは「国花」とされており、
大変ゆかりの深い植物となっています。
ギリシャでは、アカンサスは
「不死」の象徴として扱われ、
古代ギリシャ建築の柱の装飾には
アカンサスの「葉」がモチーフとして
用いられています。
花も大変個性的ですが、
古代ギリシャでは花よりも「葉」の方に
人々の関心が寄せられていたのでしょう。
確かに、
大ぶりの葉には深い切れ込みが入り、
夏も冬も美しい照り葉を旺盛に伸ばしている姿は
古代ギリシャの人々が
「不死」の象徴として捉えたのも頷けます。
実は日本の皇居外苑でも、
アカンサスがあしらわれている構造物があります。
上の写真は、北の丸公園にある
二重橋に作られたブロンズ製の高欄(人止柵)です。
確かにアカンサス!
葉と花の雰囲気が良く出ていますね。
和名は「ハアザミ」で、
明治~大正時代に
国内に持ち込まれたそうです。
アザミの仲間ではないのですが、
葉の形がアザミに似ていることから、
そのように呼ばれてきたのでしょう。
株は育つと大変立派になり、
1株で葉張りが1m程度になることもあります。
性質は大変強靭で、半日陰でも育ちます。
ただ、花穂が大ぶりで長いため、
しっかりと直立した花穂の姿を楽しみたい場合は
日向に植え付けることをおすすめします。
6月ごろから、
上の写真のように花穂が立ち上がってきます。
花穂の高さも、1mを超えるほどの大型です。
因みに、学名のアカンサス Acanthus は
ギリシャ語のakantha(とげ)に由来するそうで、
花の苞(ほう)の部分には鋭いとげがあります。
花が終わり、
花穂をピンチして除去する際には
「とげ」にご注意ください!
アカンサスは意外と和風建築にも馴染みます。
近頃は和モダンの住宅も
多く建てられていますので、
お庭にアカンサス、おすすめです。
花色が紫~白ベースで派手に主張しすぎず、
また葉色が濃く、
照り葉であることが
大きなポイントだと思います。
開花期には味わい深い花色と
独特のフォルムを楽しむことができ、
それ以外の時期でも、
冬も青々と茂る大ぶりな照り葉は
お庭の草本類としては
主役級の活躍をしてくれると思います。
近年は、白花種の
「アカンサス・モリス アルバ」や
葉に白い斑が入り、苞の色が白、花が桃色の
「アカンサス ‘ホワイトウォーター’」など、
続々と改良種が出回るようになってきました。
ますます目が離せないアカンサス、
是非お庭にいかがでしょう?
広い植栽スペース、
こまごまと植物を植えるのも、
手入れも面倒だという方にも
本当におすすめの逸品です!