【中木】 ツリバナ Euonymus oxyphyllus 〈落葉広葉樹〉
赤いくす玉がぱっかり割れて、
中からオレンジ色の種が登場!
この見事なフォルム、
見れば見るほど不思議です。
くす玉の内側が黒く色づいているのも、
この独特のフォルムを際立たせている
一因だと思います。
ツリバナは北海道から九州まで、
日本各地の山地や丘陵に自生する
落葉広葉樹です。
樹高はさほど大きくならず、
中木の部類に入ります。
この独特の実のフォルムと、
風情のある樹形が重宝され、
茶庭やナチュラルガーデンに
用いられることが多くなりました。
庭に植え付ける場合は、
日向~半日陰の場所が良いと思います。
西日が株元に当たらないように、
足元に植栽を添えるとなお良し!です。
ゆっくりと生長しますので、
剪定の手間もそれほどかかりません。
秋には橙~赤系の紅葉が楽しめるツリバナ。
お庭を鮮やかに彩ります。
植木の流通としては
株立ちで出回ることが多く、
葉も軽やかな印象で
和洋どちらの庭にも馴染むと思います。
花は5~6月、「ツリバナ」の名の通り
ぶらりと吊られた状態で咲きます。
花の直径は1cmに満たない、
小さな花なのですが
よく見ると花弁が薄桃色に色づき、
とても愛らしいですね。
…怒ってるの??
と聞きたくなるような、
愛嬌のある表情!
花が終わり、実が熟す前の状態です。
「くす玉」が割れる直前!
こうなると、毎日くす玉の割れ具合を
庭に確認しに行きたくなりますね。
割れる直前の実は、
しっかりと赤に染まり、
つやがあります。
割れる前の鈴なりの赤い実の姿も
また良し、です。
落葉した後も、実は枝に残ります。
くす玉が割れて出てきた種子は、
なかなか「くす玉」から離れず、落ちない!
メジロやシジュウカラ、
ヒヨドリなどの野鳥が
この実をお目当てにやって来ます。
秋の紅葉から、くす玉のような赤い実、
初冬のバードウォッチングまで楽しめるツリバナ、
お庭に1株いかがでしょう?