【低木】 シャリンバイ Rhaphiolepis indica var. umbellata 〈常緑広葉樹〉
純白の整った花姿!ですが、
あまりその花姿は
クローズアップされることのない
シャリンバイ。
こうしてじっくりと見ると、
素朴で愛らしいですよね。
このシャリンバイ、
実は街路樹の足元などに
多く用いられており、
思いのほか、身近な植物です。
性質強靭で花も見応えのある
シャリンバイをご紹介します。
大気汚染に強く、
耐潮性もあることから
庭木というよりは「緑化樹」として
多用されるシャリンバイ。
漢字表記は「車輪梅」、
枝葉が輪生状
(輪を描くように並んだ状態)に付き、
花が梅のフォルムに似ていることが
名前の由来です。
確かにウメもシャリンバイも
同じバラ科で花弁は5枚。
そして同じバラ科のサクラと同様、
花糸(雄しべを支える柄)は黄色から、
咲き進むと紅色に変化します。
通常見かけるシャリンバイは
樹高がせいぜい1、2mのものが多いのですが、
上の写真は樹高3mほどに育った大株です。
輪生した美しい照葉の中央から、
新芽が勢いよく出ています。
シャリンバイは葉が丸いタイプ
(マルバシャリンバイ)と
細長いタイプ(タチシャリンバイ)があり、
その植物学上の区別も曖昧。
上の写真は葉が丸みを帯びています。
日本では宮城・山形以南の本州から沖縄まで、
アジアは朝鮮半島や中国、
フィリピン、ボルネオ島の海岸近くに
自生しているシャリンバイ。
茨城県南エリアでは問題なく越冬し、
性質も強靭でとても育てやすい常緑樹です。
そしてシャリンバイの
見所の一つはこの「赤い葉」。
常緑広葉樹のシャリンバイは
新芽や花芽が付く前から
ちらほらと葉が赤く色づきます。
後にこの赤い葉は散ってしまうのですが、
5月ごろに開花する花姿と
赤い葉が同時に楽しむことができます。
赤い葉、
なかなか良いアクセントになっていますよね。
樹高は自生地では
4mほどまで生長しますが、
1m以下の株の流通が多いです。
葉はよく茂るため、
生垣に用いても良いですね。
満開、大株のシャリンバイ、
なかなかの見応えです。
樹形も自然と整うため、
剪定の手間も殆どかかりません。
もしサイズオーバーしたな、
と感じた場合は、
花後すぐに剪定を行うと
花芽を損なわずに
翌年も花を楽しむことができます。
低木として高木の足元に添えるもよし、
生垣として楽しむもよし。
照葉と純白の花、
赤く色づく春の葉姿が美しいシャリンバイ、
おすすめです。