【メインツリー】 マルバノキ Disanthus cercidifolius 〈落葉広葉樹〉
またもや紅葉シリーズ(^^;)
今回ご紹介するのはマルバノキ、
マンサク科の落葉中低木です。
シンボルツリーとして近年人気を集めています。
やはり何と言っても、この紅葉。
深いワインレッドの濃淡、
味わい深いですね。
マルバノキの分布は本州の中部地方、
近畿地方、広島、高知県です。
あまり分布域が広くなく、
日当たりのよい痩せた岩地に
稀に自生しています。
現在、各地の自生地では
マルバノキが絶滅危惧種か、
それに準じた状態にあるそうです。
そして何とマルバノキは、
最終氷期を生き延びた残存種。
何とかこの時代も生き延びてほしい!
一方庭木としては、
やはり素晴らしい紅葉のために需要があります。
葉の形もハート形でとても愛らしいですよね。
「ハナズオウの葉に似ている」という
学名(種小名)が付いているのも頷けます。
ハナズオウの紹介ページはこちら↓
https://lia-garden.com/plants/2021/article-1495/
植え付ける際は日当たりの良い、
西日を避けた場所が良いでしょう。
日によく当たった葉は、
より深い色合いで紅葉します。
また、マルバノキは半日陰でも育ちます。
その際は、上の写真のように
カラフルな紅葉を楽しむことができます。
こちらの紅葉もまた風情がありますね。
夏場の高温や乾燥をあまり好みませんので、
株元にマルチングや低木などを添えると
良いと思います。
樹形はマンサク同様、
自然に盃状に枝が美しく伸びます。
不要な「ふところ枝」などを
適宜取り除く程度で、
大がかりな剪定は必要ないと思います。
マルバノキは、
その紅葉の美しさも特徴なのですが
上の写真の花、
そして実にも変わった特徴があります。
この花、美しく紅葉した葉が落ちてなくなる
10~11月頃に開花するのです。
何とも不思議な時期に開花…
葉を落としたり、花を咲かせたり、忙しい秋に。
花はマンサク科ですので
やはりマンサクに似ています。
(マルバノキの別名は「ベニマンサク」です)
花は、枝を挟んで対になって咲きます。
そして実は
冬をまたいで翌年の秋に熟します。
本当に独特のライフサイクルですね。
実の形もそら豆のようなハート型で
また愛らしい。
熟すと茶色に変色し、2つに裂けて
中から黒い果実が顔を覗かせます。
こちらはマルバノキの斑入り種です。
何とも軽やかな株姿。
そして紅葉は
外斑の白い部分はそのままに、
内側の緑色の部分が紅色に色づきます。
この紅葉もまた素晴らしいのです。
(写真を持ち合わせておらず、
申し訳ありません…)
緑葉の品種も斑入り種も
本当におすすめです。
マルバノキ、
是非シンボルツリーの候補に
入れてみてください。